『テラフォーマーズ1』貴家悠、 橘賢一

  • 作: 貴家 悠
  • 画: 橘 賢一
  • 販売元/出版社: 集英社
  • 発売日: 2012/4/19

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電子書籍化されたので、とりあえず一巻だけでも読んでみようと思い読んでみた。
題名通り、火星をテラフォーミングするという話なのだが、テラフォーミングするための手段というのが面白い。地衣植物であるある種のコケとゴキブリを使って、火星を人類が生存可能な惑星にしようとするのだ。
で、その目論見はほぼ成功し、人類は用済みとなったゴキブリを駆除しに駆除部隊を火星に派遣するのだが、その派遣部隊は消息を断つ。
というのも、ゴキブリたちは火星において異常な進化をとげ、ほぼ、人類と同じような体型になりそれでいてその肉体能力は人類の肉体能力をはるかに凌駕する能力をもっていため、駆除部隊は虐殺されてしまったのだ。
しかし、そのあたりはこの漫画の基本設定のレベルの話なのでそれほど素晴らしいわけではない。
この漫画の、特に、一巻における本当の面白さは、登場人物たちがやたらと死ぬところにある。
死亡フラグという概念があるのだが、この漫画の場合、死亡フラグの立ち方が異常なのだ。
一般的な物語における死亡フラグは、脇役扱いの登場人物に対して、それまでとは打って変わって密度の濃い扱われ方をした場合に立つのだが、この漫画の場合、登場した時点ですでにフラグが立つ。
脇役らしい人物が初めて登場したと思いきや、すぐさまその人物はゴキブリに虐殺される。主要人物とおもわれるキャラクターであってもその例外ではない。
ミステリ映画において、豪華な俳優が勢揃いするのは、犯人役一人だけ、有名な俳優を使うと、キャスティングを見ただけで誰が犯人なのかわかってしまうからなのだが、この漫画においてもそれと同じ感じだ。
主要人物っぽく描かれて登場して、そしてあっさりと虐殺されてしまう。
このキャラクターの使いっきりっぷりは素晴らしいのだが、二巻目以降になるとキャラクターを大切に扱い始めるので少し残念なのだが、その分、物語の面白さは上乗せされている。

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