映画というものが、今とは全く異なる楽しみ方だった時代だったんだなあと思う。
僕は著者と比較的年代が近く、テレビで頻繁に映画が放送されていた時代を子供の頃に体験していたので、テレビでB級映画が放送されていたのを実際に観ている。
とはいっても著者ほど観てはいなかったので、この本で紹介されている映画に関しては題名だけ知ってる映画が少しだけあった以外、どの映画も観たことがない。
しかし、この本は、観たことがない映画について書かれた本でありながら、そのどれもが面白いのだ。
思わず、観てみたくなる映画もあるのだが、しかし、その映画が面白いと感じるのは著者の書き方による部分が多いのかもしれず、実際に観てみたら案外つまらなかったりするのかもしれないし、実際に観てみたいのかというと、まあ、ここに書かれた内容だけ知っておけばそれだけでいいかな、という気持ちもある。
いずれにせよ、メディア化されていない作品も数多く、観たくても観ることができない状態でもあるので、あまり執着しないほうがいいのだろう。
そういう意味では、あの当時の映画は一期一会の世界で、今のように、観たければいつでも観ることができるというものではなかったのだ。
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