『星のポン子と豆腐屋れい子』トニー たけざき、 小原 愼司

  • 作: 小原 愼司
  • 絵: トニー たけざき
  • 販売元/出版社: 講談社
  • 発売日: 2013/11/22

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トニーたけざきの新作が出た。
トニーたけざきというと『岸和田博士の科学的愛情』が強烈な印象を残しているけれども、その後で出した『トニーたけざきのガンダム漫画』も同じくらいに強烈な作品だった。アクが強いというか、下品というか、良くも悪くも好き嫌いのはっきりする漫画、いや内容で、絵柄はアクが強いわけではないのにその絵柄で描かれる内容が強烈すぎるのだ。
で、新作がでたと思ったら今回は小原愼司が原案となっていた。小原愼司の漫画は生憎と読んだことはないのだが、それでも気にはなっている漫画家で、そのうち読んでみようと思ってはいたのだけれども、少なくとも僕の知っている限りでは小原愼司とトニーたけざきとの接点はお互いに漫画を描いているというくらいしかない。それじゃ当たり前すぎると思うかもしれないが、二人の作風はまるっきり違うし、今回の表紙の絵を見ると今までのトニーたけざきの絵柄からは想像がつかないくらいにまろやかになっている。改心してほのぼの路線に変わったのかと思ったくらいだ。
で、読み始めてみると、たしかに違う。
小原愼司が原案を務めただけあるなあと思うと同時に、大石まさるのような展開、トニーたけざきもこんな漫画を書くことができるんだと思ったのだが、読み進めていくと違った。
いや、やっぱりトニーたけざきはトニーたけざきで、ほのぼのとした序盤の展開からよくもまあこんな人を人とも思っていない極悪非道な展開へと持って行くよと感心してしまった。『岸和田博士の科学的愛情』のころのトニーたけざきと全く変わらない、いや、かえって非道さと外道さに磨きがかかっている気すらしてくる。
それでいて最後は綺麗にまとめているあたりは小原愼司の力が大きかったのか、ミスマッチにも思えるような二人の組み合わせは予想以上に素晴らしかった。

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