今のところ細野不二彦の最長漫画は『ギャラリーフェイク』の32巻で、その次はというと『ダブル・フェイス』と『太郎』の24巻になる。
『ダブル・フェイス』は一巻は読んだけれども今ひとつ好みじゃなかったのでそれ以降は読まなかったのだが、まさかこんなにも長く続くとは思わなかった。やはりリアルタイムで追いかけないと後が辛くなる。
で、『電波の城』は一巻を読んだ時、それほど面白いとは思わなかったのだが、なんとなくそのまま読み続けていくうちに後を引く話になっていき、とうとう今回で21巻目。連載は続いているようなので、22巻は出ることは確実で、さすがに『ギャラリーフェイク』を抜くまで続くのは難しいかもしれないが、二番目に最長となる可能性はでてきた。
テレビ局を舞台にし、主人公は女性。この主人公のキャラクター設定は過去の作品『ごめんあそばせ』の主人公、鬼龍院ひな子を彷彿させるようなキャラクターでありながらも鬼龍院ひな子にあったユーモア性を取り除いたシリアスなキャラクター。『電波の城』の主人公の本名が朱雀院ひな子となっているあたりがなかなか興味深い点だが、特に関連性はないだろう。
放送業界の現状の実態をうまく取り込みながらも主人公の謎の過去、そして主人公が何を目論んでいるのかなかなか判明させない点など、手慣れた熟練の手腕といったところなんだけれども、とうとう21巻では決定的な事件が起こってしまう。
いや、今までたしかに主人公は危うい行為をしてきたのだけれど、とうとう一線をこえてしまうのだ。
この先、作者がどんな展開をさせるのかはわからないのだけれども、破滅の道へと突き進む可能性が大きくなった今、残りの巻数がどのくらいになろうとも主人公の行く末を最後まで見届けるしかない。
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