新書でありながら中身は漫画だ。
本に関する薀蓄だけで構成されていて、なので、本に興味のない人にはどうでもいい話ばかりなのだが、表紙裏に書かれているように、この本を読めば書店に行くことが楽しくなるさまざまな薀蓄が書かれていることは確かで、本に興味が無くっても、書店に行くことが好きな人ならば読んで損はしないと思う。
これでもかと言わんばかりに大小様々な薀蓄がびっしりと書かれているので、漫画としての楽しみは少ないのだが、まあ活字だけの文章を読むよりは読みやすいし、絵があることでイメージをつきやすい。
本に関する薀蓄だけではなく、電子書籍に関する話題や、万引きの問題、特に書店での売上と利益率、どのくらいの損失があると商売としてやっていくことが困難な状況にあるのかという切実な問題を具体的な数字で描いているあたり、読んでいて切なくなる。
その一方で、どの書店も似たような品揃えになりつつある中で、独自の色合いを出そうと苦労している書店員の話や、本が売れなくなりつつある中で、まだまだ書店もいけるんじゃないかという希望を感じさせる話題もあり、新たな視点で書店を見ることができそうな感じがする一冊だ。
コメント