『彼女とカメラと彼女の季節(1)』月子

  • 彼女とカメラと彼女の季節(1)
  • 著: 月子
  • 販売元/出版社: 講談社
  • 発売日: 2012/5/23

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この本の四巻のオビに一色まことが”私にとってはこれは新しいジャンルのマンガだ”と書いていたことからちょっと気になったので試しに一巻を読んでみた。
もっともオビの惹句が信用できるのかといえば宣伝文句なので信用できない場合もあるけれども、一色まことにだったら騙されてもいいかというつもりだった。
物語はそれほど奇をてらったものではない。
恋愛に奥手な高校生の女の子、あかりが誰とも打ち解けようとはしない同じクラスの女の子、ユキに心惹かれるようになるという話だ。そこに主人公に盛んにアタックしてくる同級生の男の子、凛太郎が絡んできてやっかいなのは主人公が心惹かれる女の子のほうは、この男の子に関心を持っているという三角関係が構成される。
彼女たちの心の揺れ具合は、過度に恋愛を意識する話でもなく繊細な心の機敏というか仄かな揺れ具合で、読んでいて微笑ましくなるのだが、この漫画で一番驚いたのはユキがカメラ好きという設定で、主人公がユキと話すきっかけもこのカメラで、そしてユキが普段使っているカメラがデジカメではなく二眼レフカメラだということ、そしてこの二眼レフで写真を撮る構図が僕にはものすごく新鮮で、主人公たちの心の揺れ具合の物語と同じくらいこの写真を撮るということに興味を持ったのだ。
僕は写真を撮るということには無関心だったんだけれども、この二眼レフというのはいいなあと思った。特に、上から覗き込むような形で撮るスタイルってのは自分の手の中にある世界を切り取るような感じで、二眼レフカメラだったら写真を撮るという行為が楽しくなれそうだ。
思わず、デジカメで二眼レフのカメラがないものかと探してしまったよ。

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