幻のサニー

先週に引き続いて「VAIO typeP に替わるもの」の続きを書こうと思ったけれども、なんとなく気分がのらなかったので予定を変更して別の内容を書いてみる。
ちなみにこの記事のカテゴリ「son carnet」は「音ノート」というような意味で受け取って欲しい。音楽に関するあれこれを書く時はこのカテゴリで書くつもりだ。
不思議と、このカテゴリだけはクリックしてくれる人がいるので、カテゴリにつけた言葉の意味について種明かしの・ようなものをしてみた。他のカテゴリについては気が向いたら書くかもしれない。
ジョー・コッカーの訃報を知った時、僕の頭のなかに流れた曲は「Sunny」だった。
そう、あのボビー・ヘブの名曲「Sunny」である。
僕がジョー・コッカーという歌手の存在を知ったのは1984年のこと。ラジオのエアチェック、いや、エアチェックなんて言葉はもう死語と化しているだろう。今の若い人には通じない言葉かもしれない。
僕が若いころ、LPレコードがレンタル店やCDに取って代わられる前の時代、FM放送の番組内容を載せたFM情報誌というものが売られていて、音楽好きな人達はこのFM情報誌を元にラジオ番組をカセットテープに録音し音楽を楽しんでいた。
そしてこの行為をエアチェックと呼んでいたのだった。
タイマー録音などといったものは無かった時代なので、録音したい音楽が流れるときにはその時間帯にラジカセ等の録音装置の前にいて、目的の音楽が流れるタイミングに合わせて録音ボタンを押していたのだった。もちろん、番組全てを録音する場合は番組の開始と終了だけ操作すればいいので楽になるけれども、大学生だった僕の場合はそういうことをする時間はタップリとあったので、面倒な行為そのものも楽しんでいた。
で、その中で流れたのがジョー・コッカーの歌う「Sunny」だった。
ハスキーというよりもしわがれ声といったほうがいいジョー・コッカーの「Sunny」は深い印象を僕に刻みつけたのだった……はずなのだが、コッカーの訃報で「Sunny」が頭のなかに蘇り、再び聞きたくなったので、どのアルバムに収録されていたのか調べたのだが、これが見つからない。
どうも、ジョー・コッカーが「Sunny」を歌っていたというのは僕の記憶違いだったようだ。
ではあの時、あのしわがれ声で歌っていたのは誰なのだろうか。
Youtubeで「Sunny」を歌っている何人かの歌手の歌を聴いてみたのだけれども、どれも違った。僕にとっての「Sunny」はあの時のあのしわがれ声でなければ駄目なのに。
もう一度、あの「Suuny」を聴いてみたい。

写真は、僕が持っているジョー・コッカーの唯一のLPレコードアルバム。1986年に発売された「Cocker」だ。
それほど名盤というわけでもないけれど、『ナインハーフ』という映画の中で使われた「You Can Leave Your Hat On」が収録されているし悪くはない。

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