いつも前にいる


今回は、昨日の記事で書いたとおり、先にタイトルを決めて、その後で内容を考えて書いてみた。
六田登の描いた漫画に『F』という漫画がある。
自動車レース漫画なのだが、単純にそれだけの話ではない。雑誌連載されていたので、それぞれの回にタイトルが付けられているのだが、すべてFで始まる英単語になっている。
つまり、このマンガのタイトルである『F』はそれらを総称してのFであり、自動車レースであるからしてFormula(フォーミュラー)のFでもあるのだが、同時にもう一つのFで始まる、とある言葉のFでもある。
その言葉がなんなのかは、物語を読み進めていったうえでよく考えればすぐに分かることなのだが、僕はその言葉に気づかず、最終回の手前でその言葉がその回のタイトルに付けられた時、目からうろこが落ちる思いがした。
と、まあ前置きはそのくらいにしておいて、主人公がレースを初めてしばらくして、主人公が走る前を、黒い影のようなものがずっと走り続けていることが描かれる。主人公もそのことを自覚している。主人公がレースをしている時、その何かは主人公のいつも前にいる。
その何かが何であるのか判明するのも最終回手前のその回である。
時々、妻と散歩する。
夜が多いのだが、そんなときでも僕は妻の前を歩いている。
前から誰かが来た時に僕の背中に隠れることが出来るようにと、妻はいつも僕の後ろを歩いている。人と出会うことが怖いのだ。
昔は横に並んで手をつないで歩いていた。でも僕は今、妻のいつも前にいる。
世の中にはゴキブリが苦手という人が多い。
もっとも、ゴキブリが平気という人は少ないだろうから苦手という人が多いというのは当たり前のことだろう。
しかし、苦手という以上に手で退治することすらできないという人もかなり多いような気がする。それは僕の周りだけのことかもしれないが、そういう場合は苦手というよりも怖いといったほうがいいのかもしれない。
僕の妻もゴキブリを怖がっているので、家の中に現れた時はいつも叫んで、僕に助けを乞う。
僕はゴキブリは好きではないけれども、苦手でも怖くもないのでティッシュペーパーを二枚ほど重ねあわせてゴキブリを捕まえようとするのだが、残念なことに反射神経が良くない。三回に二回は逃げられてしまうのだ。そして妻に怒られる。うまく退治できたときでも、あまり感謝してはくれないのだが、まあそれはそれで仕方がないとあきらめている。
そして、ゴキブリは僕が狙った場所のいつも前にいる。
先にタイトルを考えて、そのあとでタイトルに沿った内容を書いてみたのだが、やはり記事を最初に書いてあとでタイトルに悩むほうが僕には合っているようだ。

コメント

  1. えこ より:

    こんばんは。。。 記事のタイトルには 悩みますね。 私は 記事を書いてから タイトルを考えます。 以前『日めくり』の 言葉を毎日、記事にした時がありました。
    その時は、日めくりの言葉にあった『日常・出来事・想い』を 内容にしました。(タイトルがあっての、内容でした。・・・この方が難しかった、、。)
    写真の作品展示の時『題』を考えるのに 一番苦労します。
    題によって 写真を見る目が変わります。
    あぁ〜! この人は この事を訴えたいんだなぁ。 って 題から気持ちが伝わってきます。
    ブログも タイトルで あっ!読んでみようかな? と思います。
    短いタイトルに 気持ちを・想いを・込めるのは 難しいですね。
    いろんな トラエ方があるし。
    想いが 伝わらないかも知れないし。
    今の私は、日記としているので 難しく考えず そのままを タイトルにしています。(^○^)

  2. Takeman より:

    えこさんこんにちは。
    えこさんもタイトルを先につけて記事を書くということをやってみたことがお有りなんですね。
    タイトルを付けるのは悩むのですが、それでもタイトルにどういう意味を持たせるかをあれこれ考えるのはわりと好きなんですよ。

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