記事タイトルにひかれて初めてこのページをご覧になった方は、こちらを最初に御覧ください。
- 『スパイダーマン:ブルー』ジェフ・ローブ(作)、ティム・セイル(絵)
アメコミのヒーローを三人あげなさいという質問があったとしたら、日本人の場合は、スーパーマン、バットマン、そしてスパイダーマンをあげるだろう。
僕はこの中で一番好きなのはバットマンでその次がスーパーマンなのだが、スパイダーマンはあまり好きではない。
何故なのかと言われると返答に困るのだけれどもやはりあの風貌が好きではないからだと思う。なのでサム・ライミ版の方の映画は三作とも観たけれどもコミックの方は読んだことがない。等身大の悩みを抱えたヒーローという設定は決して嫌いなわけではないのだけれどもコミックまでは読みたいとは思わないのだ。しかし何事にも例外はある。ということでアメコミ・ヒーローの最後はスパイダーマンである。
『スパイダーマン:ブルー』は先に紹介したスーパーマンやバットマンのようなIFの物語ではない、あくまで正統派の物語だ。悩めるヒーローであるスパイダーマンの、文字通り悩める、そして切ない恋の物語だ。サム・ライミ版の映画ではスパイダーマンの恋人はメリー・ジェーン(MJ)なのだけれども、新たに作られた『アメイジング・スパイダーマン』のほうではグウェン・ステイシーが恋人となっている。どちらが正しいのかといえばどちらも正しい。スパイダーマンの最初の恋人がグウェン・ステイシーでそして結婚するのがメリー・ジェーンだ。『スパイダーマン:ブルー』ではメリー・ジェーンと結婚した後のスパイダーマンが過去を振り返るという物語となっている。正直な話、ティム・セイルの絵はそれほど好きではないけれども、ジェフ・ローブとティム・セイルのコンビにおける物語は叙情的で、読んでいるうちに絵柄の好き嫌いなどどうでも良くなってくるし、ティム・セイルの絵は時として一枚の絵としてハッとさせられる輝きを持っている。このコンビは他に『スーパーマン・フォー・オールシーズン』も描いていて、こちらもまた素晴らしい作品だ。
コメント