毎年一回、妻の自立支援医療の手続きをするために区役所に行く。
今年から窓口が変わり社会福祉課になった。
もちろん窓口が変わったからといって何かが変わったというわけではない。
自立支援医療という制度というのは、簡単にいえば医療費の自己負担が1割になるという制度だ。月あたりの負担額における金額の上限というのもある。
ただし、どの病院、どの薬局で受診・調剤をしてもそうなのかといえばそのようなことはなく、申請手続きをする際に通院する病院と処方薬局を書かなければならない。そこ以外で受診した場合は自立支援医療の制度は適用されず、3割負担をしなければならない。
医療費が三分の一になるというのはものすごく助かる制度なのだが、時々、申し訳ない気持ちにもなることがある。
手続きを待っている最中にも社会福祉課へはいろいろな人が来る。
殆どの場合、なにかに困っている人たちだ。もちろんその中に僕も含まれている。
窓口のカウンターのテーブルの上にはHIVに関するパンフレットが置かれている。
聴覚障害を持った人たちへの案内の張り紙が貼られている。
シングルマザーと思われる人が隣で相談をしている。
手続きを行うのはこれで7回目だ。
もう、何も考えずに事務的な形で手続きを行うことが出来る程度には慣れてしまったのだが、それはあくまで手続きのことだけだ。
職員の人はいつも親切だ。少しだけ、優しくなれる気持ちを分けてもらえた気持ちがする。
そして、来年もまた僕はこの場所へやってくる。
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