統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
配偶者が統合失調症に罹っているという人は、親、もしくは子供が統合失調症である人よりも少ない。
統計的にみて、大人になってから発症するよりは未成年の時に発症する場合のほうが多いということもあるが、発症をきっかけに離婚してしまう場合もあるからだ。離婚率でいえば、普通の夫婦の離婚率よりも高い。
菜時記 睦月/戊子
さて、今年最初の買い出しである。
といっても、前日の1月1日は買い物に出かけなかったけれどもその前の日、12月31日は買い物に出かけたので久しぶりの買い物という気分は全くない。
世間ではまだまだ正月気分だし、僕自身もまだ正月気分ではあるものの、もう既に日常生活は始まっている。
正月から商売を始めている店も多いけれども、いつものスーパーは3日まで休みだし、地元野菜の店も同様で、今回は1箇所のスーパーだけで全てをまかなわなければいけない。
ということで値段は我慢して一週間分の食料品をどれだけ買うことができるかが今回の問題である。
トマトは小さめのものが5個入って280円。いつもならばスルーして他の店で買うのだが、今回はこれで我慢する。同様にミニトマトも180円のものを買うこととなるが、これは地元野菜のコーナーにあったものなので、これでも安い方である。同様に、サニーレタスが2個入って110円だったのえこれも買う。
キャベツは1/2カットだがサイズが大きく68円だったのはいいとして、白菜1/4カットは98円と前回よりも20円高くなっている。なんだか足元を見られているような感じでもあるが、気のせいだろう。
おせち料理のコーナーでは早くも安売りがされている。去年、といっても一週間前に定価で買ったものが半額近い値段で売られているのを見ると少し悲しくなるのだがこればかりは仕方がない。妻の好きな栗きんとんが半額以下だったので、かごに入れる。
まわりのお客さんを見渡すと、オードブルとかお寿司とかを買っていく人が多い。
その中で1人だけ日常の買い物をしている自分がいる。
正月気分をゆっくりと堪能することができない現実が重くのしかかってきて少しだけ悲しくなる。
いつも行っているスーパーなのに、自分だけが取り残された気持ちになる。
コメント