記事タイトルにひかれて初めてこのページをご覧になった方は、こちらを最初に御覧ください。
- 『エイリアン9(1)』富沢ひとし
- 『エイリアン9(2)』富沢ひとし
- 『エイリアン9(3)』富沢ひとし
僕はSFというジャンルが好きなのだが、このSFというジャンルが持つ要素の一つに恐怖というものがある、と思っている。
それは例えば、未知な物にたいする恐怖であり、理解できないということにたいする恐怖であり、コミュニケーションを取ることができないことにたいする恐怖だ。
だから、そういったものを扱ったSF小説などを読んだ時、そこに湧き出てくる感情はワクワクとかドキドキとかではなく恐れだ。富沢ひとしの漫画を読むと感じるのはそういった感情でありそれは富沢ひとしによって描かれるSF的な何かによって生み出される。『エイリアン9』もそうだし、その後に描かれた『ミルククローゼット』全4巻『プロペラ天国』全1巻『特務咆哮艦ユミハリ』全4巻もそうだ。
そしてなおかつ、そんな異質な存在とそれを理解させることのできる表現力でもって描かれた世界と、さらにはそれらを成立させるためのSF的な設定がこれまた輪をかけて異質で、いうなればこれこそワイドスクリーン・バロックだといっても過言ではないと思う。
コメント