伝説は死なない

体調を崩してしばらく寝込んでしまっていた。
途中で、無理をしなければ大丈夫だろうと仕事をしたら、夕方になって高熱がではじめて、無理などしていないはずだったのに、かえってこじらせて長引かせてしまった。
早めに治そうと病院へ行って解熱剤をもらって飲んでいたせいかもしれないが、歳をとって治癒力が衰えてきたせいも多分にあるのだろう。いまもまだ心許ないのだが、熱がぶりかえさなければなんとかなるだろう。
寝込んでいる間にもいろいろと世間では事件が起こったりしていて、浜松市では殺人事件が起こるし、なんといってもプリンスが亡くなっていた。
僕がプリンスという存在を知ったのはアルバム『1999』だけれども、その時はリアルタイムではなかったので、本格的にその存在を知ったのはそれからしばらくして発表された『パープル・レイン』だった。映画のサウンドトラックとして発表されたのはともかくとしてその映画というのがプリンス自身の自伝的映画ということで、プリンスという名前、しかもそれが本名という凄さも合い重なって、強烈な印象を僕に与えてくれた。もっとも名前でいえば同じ時期に活躍したマドンナもすごい名前だった。
しかし、だからといって僕がプリンスのファンになったのかといえばそうでもなく、なんだか凄そうな感じはするけれども、理解できない傾向の音楽だった。
やがて、日本におけるプリンスのブームも下火となって、その後、記号みたいな名前に改名する事件があったりしてプリンスも元プリンスとよくわからない存在になっていって、日本でのプリンスの存在はマイケル・ジャクソンとは対極的な感じになっていった。一時期は二分するほどの人気だったのだけれども。
しかしそれでも、いきなり、自伝映画を作ってヒットさせたり、自分一人だけで楽器を演奏してアルバムを完成させたり、レコーディング済の未発表の曲が大量にあるとか、それでいて身長は158cmと小さかったり、存在自体が伝説的というか話題に欠かさない人だったので、今でも彼が亡くなったというのは実感がわかない。伝説は死なないのだ。
ひょっとしたらこの先50年くらい、毎年プリンスの新作アルバムが発表されたりしたとしても全然不思議に思わないし、もし、そんなことが行われたとしたら、プリンスは死んでいないのと変わりはない気もする。

コメント

  1. 五十八 より:

    あぁ、やはり体調を崩していらしたのですね。
    このところ当店のブログへご来訪がなかったので、もしやと心配はしておりました。
    まだ本調子ではないようですね。
    くれぐれもお大事に。
    いつも楽しく「難しい」(^^)文章を読ませていただき、楽しませていただいています。
    ありがとうございます。

  2. Takeman より:

    五十八さん、ご心配いただきありがとうございます。
    >いつも楽しく「難しい」(^^)文章を読ませていただき
    やはり難しいですか(^^;
    理屈っぽいのは性分なので、仕方がないなあと思いつつも、わかりやすい文章というのは難しいものですね。

  3. 五十八 より:

    あ、いや。
    博識と秀でた論理性に驚嘆しながら、「楽しく」読ませていただいています。
    「理解」には程遠いものがありますが、まあ、ジーさんのことですからご容赦いただきたく・・・

  4. Takeman より:

    わかりつらい部分があるとしたらそれは多分、わかりやすく説明するのが面倒になってしまって、わからなくてもいいやと思ってしまった部分だと思います。
    後で見なおしていると、ところどころそういう部分に気が付きます。
    それはともかくとして、楽しんでいただいているのであれば本望です。

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