統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
妻はときおりこんなことを言う。
「私のような人間と結婚してあなたはハズレを引いてしまったわね」
そんなことはないよ、と答えるのだが、この言葉が妻に届いているのかどうなのかはわからない。
ただ、届いていなくても、この言葉が僕の本心であることに変わりはない。
菜時記 皐月/丁亥
少しづつ体調が良くなってきたのか、買い物を楽しもうという気持ちが出てきた。
とはいえども、気持ちはそうでも実際に楽しい買い物が出来るのかといえば店の品揃え次第である。
入口付近で新じゃがいもや新玉ねぎなどが1個38円で売られている。一つ一つの大きさを見ると、それほど大きいサイズではないけれども、この値段であればお買い得だ。
ということで人参、玉葱、じゃがいもを袋に入れる。
しめじが二袋で98円。本音を言えば二袋もいらないのだけれども、ここはありがたく買い物かごに入れることにする。キャベツは残念なことに1/2カットが品切れ状態。トマトは3個で258円だったので、ここは妥協して買っておくことにする。
長ネギは2本で138円とここのところ安値である。地元野菜のコーナーには売られていなかったので悩むことなくかごに入れる。
レジでの精算もスムースで、入り口付近にあった野菜以外は取り立てて目ぼしい物はなかったが、気分よく次の店へと向かう。
次の店は駐車場はそれほど混んでいないので、今日は大丈夫なようだ。
キャベツは1/2カットが少し高いが、これは仕方がない。キャベツを買ってしまえばあとは肉類だけなのだが、残念なことに肉類はとりたてて安くはなかった。もちろん他の店と比べれば安いのでわがままにすぎないのもわかっている。
さて、いよいよレジでの精算であるが、今日は混雑していない。見回して、ここが一番早いと睨んだレジに並び、予想通り一番早く精算が始まる。途中でバーコード読み取り担当の人がやって来て2人体制となったのだが、生憎とバーコード読み取りは終わって精算するタイミングだったのでその恩恵には預かれなかった、いやむしろ、ピッタリの小銭をとりだそうとおもってかえってまごまごしてしまい、自分のほうがレジの精算の流れの良さを止めてしまったくらいである。
早過ぎるのもこれはこれで問題だなあ。
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