週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 56/99

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  1. 『成程』平方イコルスン
    女子高生や女子大生たちの日常におけるガールズトークがだらだらと繰り広げられるだけの話で、明確なオチも無いようにみえるが、落ちていないようで落ちているという不思議な世界。彼女たちが生活している世界は、ほぼ現代のごくふつうの世界のようにみえるが、微妙に異なる。どこが異なっているのかについて登場人物や作者によって明確に語られることはないのは、この世界が彼女たちにとっては当たり前の世界で、あらためて読者に説明する必用もないからだ。そもそも会話の流れも必ずしも同じ話題でつながっているわけではなく、突如として関係のない話が割り込んできたりするのはリアルであり、それでいて彼女たちの話が停滞する事なく続くのは、まるでラリーが全く行われないテニスを見ているかのようでもある。ボールを打ち返すことなくただひたすらにサーブだけしているような、それでいてしっかりとテニスの試合が成立しているという不思議さ。そしてときおり会話の中にふつうの女の子ならば使わないだろうと思われる言い回しが現れる。その瞬間だけ、平方イコルスンの少しだけ異なる世界が読み手に現れるのだ。だから物語のオチは最後に登場するのではなく、彼女たちの会話の隙間にオチている。

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