うちのクラスの女子がヤバい

平方イコルスンの『スペシャル』と少し似ている。
といっても似ているのは登場人物が少しばかり普通の人とは異なる部分があるという点だけなのだが、学校を舞台にして少しばかり普通の人とは異なる部分を持つ学生たちを登場させたながらも、描き方によってこうも変わってくるものかと思う。
この漫画で登場する人物たちは、無能力という能力を持っている。普通の人が持ち得ない特殊な能力を持ちながらも、その能力というのがまったく役に立たない能力ということで無能力と呼ばれている。
第一話で登場する少女は、心拍数が上がると、他人の姿を皮膚一枚だけ透視してしまうという能力だ。
皮膚一枚ということで、筋肉が見えた状態、要するに理科室にある人体模型のような感じに見えてしまう。では服はどうなのかというと、服も皮膚と同じように扱われるので、服を着ている人は、一番上に着ている服だけが透視された状態になる。
彼女は毎朝、遅刻すれすれで登校してくるので教室に入った時には走ってきており、つまり心拍数が上がった状態である。クラスメートはみな、人体模型のような感じである。もちろんそんな光景に馴れるわけではないので毎日がホラー映画さながらの世界だ。無能力を持っている以外はごく普通の女子高生なのだから。
そんな彼女の物語がどんな物語になるのかというと、ちょっぴり甘酸っぱい青春の物語になっているのだから、これが面白くならないわけがない。
その一方で、なんの役にも立たない無能力が実はものすごい役に立つというエピソードが挟み込まれたりして、無能力を役立ててしまう謎の組織の存在とかがいたり、ちょっと一筋縄ではいかない展開を見せたところで1巻は終わる。

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