まだまだ続くかと思っていたら完結してしまった。幼年編と思春期編と時間の流れが進んでいったので、青年編、それ以降と続くかと思っていたのだ。
この巻で完結するということは読む前から知っていたので、前巻から続く物語の伏線の部分、主人公の父親のことや、主人公以外にも変身する能力を持つものがいて、彼らはなんらかの目的を持った組織を作り上げているという部分がどういう形に終着するのか期待をしていた。
しかし、最初の2話はそのことには触れられないまま、話としても単体で完結している話。そうなると残りのページ数でうまくまとめ上げることが出来るのか心配になってしまう。
そもそも、2巻までは主人公の日常の話に終始しているだけで、大きな物語というのが絡んでこなかったのである。残りの紙面で謎の組織の目的など過不足なく語り切ることができるのだろうか。
しかし多少、駆け足的な感じと後付け設定的な感じもしないでもないけれども、うまくまとめて、大きな物語としては綺麗に終わった。
変身という能力が、成長期、特に思春期における不安定な気持ちを象徴する事柄だとすると、思春期編で終わるのが綺麗な終わり方であり、主人公があまり成長しないままで終わるのも悪くはない。もうしばらく彼のうじうじと悩み続ける姿を見続けていたい気もするけれどもね。
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