tales of the mouse

『マウスガード』という漫画を読んだ。もともとはテーブルトークRPGとして作られた物語であり設定なのだが、それを漫画化したものだ。
中世ヨーロッパの時代を彷彿させる社会生活を営んでいるネズミたちが主人公のファンタジーであり、マウスガードとは彼らの世界の秩序を守る番人のことである。『スター・ウォーズ』でいうところのジェダイの騎士のようなものといえばわかりやすいだろう。しかし、ジェダイの騎士の場合はフォースという特別な力と、ライトセーバーという特別な武器を持っているが、マウスガードたちにはそのようなものはない。ほかのネズミたちよりも少しだけ強かったり、勇気があったり、知恵があったりするだけである。そして、マウスガードたちはつねに絶望的な任務に付くことを課される。
これはこれで面白い漫画だったのだが、ネズミを主人公とした物語といえば日本には斎藤惇夫の『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』がある。僕がこの物語のことを初めて知ったのはこれをアニメ化した『ガンバの冒険』があったからで、このアニメを見てガンバとその仲間たちの物語のとりこになった。原作があることを知ったのはアニメを見終わってからしばらくしてからのことだったが、原作の方ももちろん読んだ。
アニメ版では仲間の人数が7匹、原作の方はその倍以上の15匹であることに驚いたのだが、アニメ化にあたって人数を減らしたのはやはり正解だっただろう。
で、『マウスガード』を読みおえて『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』の方が面白かったよなあという気持もあった。しかし、それはひょっとしたら思い出補正が働いているせいかもしれないと思い、確認のために『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』を再読してみた。
実際に再読してみると児童文学として書かれているだけあって、大人が読むと物足りなさというものはある。やはり気になるのは15匹、主人公のガンバを入れれば16匹という主人公側のキャラクターの多さだ。それぞれのキャラクターたちに何かしらの見せ場を用意しているとはいえ、主要なキャラクターを除けばその他のキャラクター達の見せ場の数は少ない。かといっていなくても良いのではないかと思われるキャラクターがいるわけでもないのでそのあたりはうまく作られているとあらためて感心する。
児童文学だけあって途中で亡くなってしまうキャラクターの数は少ないけれども、それでも意外なキャラクターが亡くなる。
で、双方とも読み比べてみると『マウスガード』のほうは『マウスガード』で大人向けの物語であり、どちらが良い悪いというわけでもなくどちらも面白かったという結論に至った。

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