週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 74/99

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  1. 『サウダージ』カリブsong(作)、田辺剛(絵)
    狩撫麻礼、土屋ガロン、ひじかた憂峰、そしてカリブsong等、その他にもまだあるが様々な筆名でもって漫画原作を書いている漫画原作者が田辺剛と組んで発表した一冊。
    小泉八雲、カフカ、陶淵明といった古典文学の短編をアレンジした話とオリジナルの話が交じり合った短篇集。原案となった作品名が明記されず、なおかつ原案の短編を読んでいなかったとしたら、どの作品が古典をベースにしたものなのか判別はつかないかもしれない。逆に言えばそれだけオリジナル作品のレベルが高いということでもある。
    小泉八雲の日本を舞台とした話である「お貞の話」をベースとした「サヨナラ、また会いましょう」などは舞台を海外のどこかの国に移しながらも物語の展開はほぼ忠実。異国情緒たっぷりに描きながらもそれが破綻しておらず、物語ときれいに融合している。カフカの「断食芸人」をベースとした話も同様で、これを原作の手抜きとみるか、そうではないとみるかで評価が割れるだろうけれども、これは古典文学の見事な翻案だと思う。

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