週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 77/99

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  1. 『モジャ公』藤子・F・不二雄
    五巻以内で完結している漫画を選ぶといっても、誰もが思いつくような漫画ばかりを選んでも面白くない。なので、漫画をあまり読まない人でも思い浮かべることのできるほど有名な漫画家の作品は選ばないようにしたけれども、この作品だけは別格としたい。藤子・F・不二雄の作品であれば短篇集の方が切れのある作品が多いけれども、一冊を選ぶとなると難しい。そうなると内容的にも文句なしでしかも一冊としてまとまっていて連作短編なので長編としても読むことができるこの作品がベストかなと思う。もっとも一冊にまとまっているといっても685ページもあるので質だけでなく量的にもずっしりくる。
    物語はふとしたことから宇宙を旅することとなった地球人の少年、空夫と宇宙人モジャ公、そしてロボットのドンモのドタバタギャグの話。なのだが、それはあくまで最初のうち。中盤から後半にかけて、藤子・F・不二雄が自分の描きたいように描き始めたせいか、随所にSF的な仕掛けや設定が出始めてくる。ギャグ漫画だったはずのものがいつのまにかシリアスで、ダークな物語へと変貌しつつ、それでいてユーモアもギャグも残っている。藤子・F・不二雄の最良の部分がもっとも色濃く出た漫画だ。
    ただ、残念なのは、この漫画が連載漫画でありながらも打ち切りだったことだ。物語は一応の終わりを迎えるのだが、それでも、藤子・F・不二雄が目指していたものはもう少し違ったものだろうと思う、
    しかし、それは完結しながらも未完であるこの漫画の正しい終わり方だったのかもしれない。

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