菜時記　神無月/戊辰

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
いつになったら私は解放されるの？
と妻は僕に尋ねる。
妄想に取り込まれている以上、開放されることなど永遠にやっては来ないし、妄想を否定する形となる答えは妻には届かない。
これは答えを僕は知っていながらも答えてあげることの出来ない妻からの問いだ。
菜時記　神無月/戊辰
早生みかんが一袋、321円。個数は数えていないけれども、けっこうたっぷり入っているので買うことにする。
アメリカ産の玉葱が3個で106円だった。別に産地にこだわるわけではなかったのだが、少し程度が良くなく、表面が湿っているものが多い。買って帰った後は袋から出しておくので少々の湿り気は大丈夫だとは思うのだが、安さに惹かれて後々後悔するよりはいつもの値段のものを買ったほうが無難と判断したので諦める。
キャベツは1個まるごとで105円。ここは1/2カットを買うよりは1個買いした方がいいだろう。
キャベツの安さに比べるとレタスは268円と急騰している。他に代替品も無かったので、ここは無理してレタスを買うよりは諦めてしまったほうがいいだろう。
レタスが高い反面、白菜は1/4カットで84円。そろそろ鍋もおいしい季節なので白菜が安いのはありがたい。
次に店では鍋キューブが安く売られていた。固形の鍋用スープが1人前8個入っているというお得なもので、我が家では一回に4個使うので二回分となるのだがそれでも液体スープの素と比べるとお得である。最近になってスープカレー味というものが追加され、徐々に味のバリエーションも増えてきた。