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- 『邪眼は月輪に飛ぶ』藤田和日郎
藤田和日郎はパワフルで面白い漫画を描く作家だ。しかもどの作品もきめ細かな伏線が貼られていて、一見すると無茶な設定であったとしても後の展開でその無茶な設定がしっかりと意味のあるものになっていて、しかもその後というのが単行本にして十巻以上も経ってからだったりする。そんなことを週刊連載で行っているのだからいったいどこまで最初から考えて物語を作っているのだろうか、感心する以前に恐れ入るばかりなのだが、残念なことに長い話が多い。連載の最初からつきあっているのであればまだしも、面白いよといわれて勧められた漫画が四〇巻以上もあったりすると躊躇してしまう。
しかし、そんな面白い漫画を描く人の作品に触れてみたいとなると短い話もたまには描いてくれよと注文を付けたくなるが、藤田和日郎の場合はそこも抜かりがないらしい。『邪眼は月輪に飛ぶ』は一巻で完結してそれでいて藤田和日郎の持ち味はしっかりと存在している。『黒博物館スプリンガルド』も捨てがたい。
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