角川春樹が書いた自伝ではなく、インタビューを元にしたものらしい。
が、とにかく面白い。
そもそもタイトルからして喧嘩を売っているとしか思えないタイトルであるし、それぞれの小題や、小見出しもふるっている。
例をあげれば、
お返しと仕返しはお早めに
とかである。
もっとも、角川春樹の生い立ちとか心情といったものにはまったく興味はない。なので、結婚と離婚の繰り返しの部分とか、父親である角川源義との確執、弟である角川歴彦との確執とか、確執ばかりの人だな、と思うけれども、そういった部分はななめ読みしたわけだが、では何処が面白いのかといえば、生き方そのものが面白い。
角川春樹自身の言動をみて、どこからどこまでが本気、あるいは本音の部分なのだろうかと思ったりもするけれどもそんなものは本人にしかわからないし、口に出た以上はそれがある意味事実でもある。と言い切れるのはここで語られたことは本人がそのまま実践して実行したことばかりでもあるからだ。もう少しまじめに書けばビジネス向けの啓発書にもなったかもしれないが、しかし、真似して実践しようにもそれが出来るのは角川春樹だけで、それ以外の人には真似しようにも真似できないわけで、こういった人たちからなにが得られるのかといえば読んで楽しませてもらう程度なのかもしれない。
巻末のロングインタビューは翻訳物好きな人間にとってはなかなか興味深い内容で、これだけでもこの本を読む価値はある。
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