週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 91/99

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  1. 『棒がいっぽん』高野文子
    高野文子だったらそもそも作品数が少ないのでどれを選んでも構わない気もする。もっとも現時点での最新作『ドミトリーともきんす』は初めての高野文子としてはちょっとハードルが高い気もするが。
    というわけで全作品を挙げてもよかったし、『黄色い本』を選ぶのが妥当なところなんだろうけれども、あえてこの一冊を選んだ。決め手は「奥村さんのお茄子」が収録されているからで、高野文子にしか描きようのないSFでもあるからだ。
    1968年6月6日の昼飯に奥村さんが茄子を食べたかどうかというのが物語の焦点にあたる。1986年というのは物語の中では25年も昔のことである。そんな昔のしかもそれほど特別ではない日の昼飯のことなど覚えているはずもなく、そこからいろいろなことが起こるのだけれども、すんなりと読めばそれなりに面白く読むことができる話でありながら、いろいろと考えだすと様々な解釈をすることができ、一筋縄ではいかない話なのだ。

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