菜時記 師走/乙酉

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
大きな幸せは望めないし、見つけることも半ばあきらめている。その変わりに小さな幸せはわりと見つけることが得意になった気もする。吹けば飛ぶような小さな幸せだが、妻が一瞬でも笑顔をみせてくれたのなら、それだけで幸せな気分になることが出来る。
菜時記 師走/乙酉
なんだか今年は年末という気持ちがわかない。
いつものごとく買い出しに店に行けば、クリスマス・イブでありながらも、お正月のおせち料理の品々が並んでいて、去年はこんな状況ではなかったような気もする。
お正月用のものは30日の日にでも買えば良いので素通りすることにして、バナナが4本で132円と安い。先週も安かったのだが、本数が多かったので、このぐらいのものがちょうどよい。
南瓜は1/4カットで128円、と手頃な値段。
アボカドが1個105円だったのであまり熟れていないものを選んでかごに入れる。
人参は3本で213円と少し高いが買うことにする。
白菜とキャベツはまだ残っているので買わないのだが、先月に比べれば野菜もだいぶ安くなってきている。とはいえども、袋入りのカット野菜のコーナーに行くと、野菜の高騰ですが、値段は据え置きですというポップが貼られていて、まだ高いのかと少し驚く。
惣菜コーナーではクリスマスだけあってとにかくチキンである。とりあえずクリスマスということで少しだけクリスマス気分を味わえるような惣菜を買って帰ることにする。

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