次はもっとうまくやる

僕は技術者なのだが、自分自身で使う目的で作った物は別としてそれ以外の目的で作ったものに関してはわりと無頓着だ。作った後で問題があれば修正するけれども、問題がなければあとはどのように使われても構わないし使われなくっても構わない。
ようするに、作ることが好きであって、それは作る過程が楽しいわけで、出来上がってしまうとそこにはもはやなにも楽しみは残されていない。常にその場限りのライブ活動をしているようなもので、作ることができれば手段も目的も選ばない。
とはいっても、そういうスタンスが社会人として良いかといえば良いわけではないということも自覚しているので作ったものがどうなっても構わないという無責任な気持ちにはならないように常日頃、自分自身を諌めることはしている。
つもりだ。
それはさておき、作ることが好きであり、常に今自分が作っているものが自分自身の最高傑作であるという意気込みはあるのだが、短期間で作るものであればまだしも、出来上がるまでに数ヶ月以上という時間のかかるものの場合は、なかなかそういうわけにもいかない。
というのは最初の設計や構想の段階では、その時点での持てる技術のすべてを注ぎ込むけれども、開発の期間が長くなれば長くなるほどその間にいろいろな技術の向上や新しい方法論といったものが身につくことがある。かといって一度設計してプロジェクトとして動き出したものに対して、そういった最新のものを取り入れることが容易いことなのかといえばそういうわけでもない。
もちろん、時間もお金も無尽蔵にあればそういうことも可能だが、しかし、そんなことをすればいつになったら完成するのかわからなくなってしまう。
というわけで、殆どの場合完成した時点で、次はもっとうまくやることができるという状態になる。
だから、出来上がった物よりもこれから作るものの方に興味はいくのだ。

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