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- 『のらずにいられないっ!』寺田克也
5巻以内で完結する漫画を選ぶ際に、出来る限りいろいろなジャンルの漫画を選ぶようにしてみたのだが、選ぶのが難しいジャンルが二つだけあった。
一つはスポーツ漫画。
もう一つはレース漫画だ。
どちらも傑作と言われる漫画は多い。しかし、どちらも傑作であればあるほど、長いのだ。
スポーツもレースも競技を描く必要がある。物語の面白さを描く上で、その競技を描く必要があるので長くならざるをえないのだと思う。
で、さんざん悩んだ末に、スポーツ漫画ではバスティアン・ヴィヴェス『ポリーナ』を選んだ。競技を描かずにバレリーナの人生の方を描いた漫画だ。
そして、レース漫画はちょっと苦しいけれども、自動車を描いたこの漫画で代用することにした。
いつかCaterham SEVENという車に乗りたいと思っていた。もっとも、今でも乗ってみたいという気持ちは少し残っているけれど、この車にのるということは道楽であり、この手の道楽をするにはいろいろと気合を入れなければ楽しむことができそうもないので、今では妄想で楽しむ程度にしている。多分、実際に手に入れたとしても根が不精なのでこまめなメンテナンスとか無理だろうからだ。
しかしこういった、いっぷう変わった車というのは昔も今も好きで、だからこの本も読んでいて楽しい。
とくに、寺田克也の手によって描かれた車たちは、必ずしも写実的ではないのにリアルで、なまめかしくて、さらには愛嬌もあって、こんな車だったら不便なところがあったとしても、はたまたやたらと壊れてしまったりしても、この車にのるということを楽しむ事ができるんじゃないか。そんなふうに、あやうく騙されそうになってしまうくらいになるほど魅力的に描かてれいる。
実際にのることができなくってもこの本をながめているだけで十分に楽しい。
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