『ヒストリエ』を連載中の岩明均がアシスタントをと使わず、自分ひとりですべてを描いているということは少し前に知った。
どおりで休載が多くなかなか話がすすまないものだと納得がいったのだが、その理由に納得したからといって、続きを気長に待つことが出来るのかといえばそういうわけでもない。
そんな中、岩明均の原作による漫画が新しくスタートした。
絵を描くのが遅いだけであって物語を作るのも遅いというわけではないようだ。
かつて、手塚治虫の『ブラック・ジャック』のその後の話を漫画化するにあたって原作提供をしたことがあった。しかしどうもいろいろと不満があったようで単行本化にあたって、原作者の名前を岩明均から山石日月に変えてしまうという結果になった。
そんなことがあったので、今回の、原作提供というのは驚いたのだが、内部事情はわからないけれども、実際に読んでみると違和感は感じられない。
岩明均のこれまでの作品から感じられる、感情の欠落したキャラクター、いや、キャラクターを描くことを主眼としていないためにそう感じられるのだが、絵の担当している室井大資の描く主人公も岩明均の描く主人公と同一なのだ。
戦って、そして敵を殺して殺して殺して、そして最後には自分も殺されたい。
どうみてもおかしい。
そんな感情の持ち主が主人公である。
キャラクターを描きたいのではなく物語を描きたい岩明均がこの主人公をどう描くのだろうか。
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