昭和40年男

『昭和40年男』という雑誌がある。
はじめてこの雑誌を見たときにはおもしろいアプローチだなあと思うのと、次は『昭和40年女』とか『昭和41年男』とかを出していくのかなあと思った。
が、そんな僕の予想に反してこの雑誌は特集する内容を変えるも、ひたすら『昭和40年男』のままだった。
僕は41年生まれなので、この雑誌のターゲットからは少しだけ外れるのだが、しかし、早生まれなので、学年としては40年生まれの人たちと同じ学年だ。そういう点ではターゲットとして含まれる確率がかなり高い。
で、今回はSF特集である。
もはや買わないほうがどうかしている。
『宇宙戦艦ヤマト』と『サンダーバード』と『スター・ウォーズ』に関しての話題がメインだ。
『サンダーバード』は他の雑誌でも特集を組まれてたことが過去にもあるし、『スター・ウォーズ』はいたるところで特集されているので特集以前の問題だ。で、残るは『宇宙戦艦ヤマト』である。
昭和40年を起点に語られる『宇宙戦艦ヤマト』というのはちょっとめずらしい視点で、知っていることも多々ある反面、起点が変わるだけでこうも面白く見直すことが出来るのだということを思い知らされた。
さらには、昭和40年付近で生まれた人間にとって、多感な時期にSFの洗礼をうけてなおかつそのSFというのは終末SF、ようするに人類の未来は明るいわけではなく絶望的に暗い未来も存在するというSFだった。そもそもノストラダムスの大予言が流行り1999年の7月には人類は滅亡してしまうと言われ続けて育ったのだから、仕方がない。
かといって絶望的な未来を前にして希望も失い生きてきたのかといえばそうでもない。
終末論はびこる1970年代はまだ小学生のころで、破滅の日までは20年以上もあり、宇宙戦艦ヤマトですら一年で人類を救うことができたのだから、20年以上あればなんとかなるかもしれないし、小学生がそんな先のことまで考えるかといえばそんなこともなく、毎日テレビに夢中の日々を送っていたのだ。
とはいえども、未来は必ずしも明るいわけではなく人類は何かのタイミングで滅亡してしまうかもしれないという考え方は今でもずっと心のなかに残っていて、それは生きていくうえで、ときに楽観的に、ときに悲観的になりながらも、それらに対するある種の耐性というものを身に着けさせてくれたのではないだろうかと思っている。

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