菜時記 弥生/壬寅

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
昔は時々、老後はこういうことをしたいということを妻は言っていたが、次第にそういうことを口にすることはなくなってきた。それは僕たちが老後に近づいてきたからだというわけではない。希望の持てる老後などないかもしれないと思うようになってきたからだ。
菜時記 弥生/壬寅
朝、目が覚めて目覚まし時計を見ると9:30近くだった。
休日だったのでその時間に起きても問題はなかったのだが、しかし、普段は8:30分くらいには一度目が覚めるのに、今日は醒めなかった。
仕事が忙しいせいで体の調子があまり良くない。休日だからといっていつまでも寝ているわけにもいかず、買い物にも出かけなければいけない。
ストレスからきているのはわかっているがここのところ食欲もなく、常に吐き気がする。
問題は食欲がなく吐き気がする状態で食料品を買おうとすると、手に取る意欲がなく、買う量が減ってしまうことだ。
店に入るとほうれん草が安かった。105円である。おそらく地元野菜コーナーにあるものよりも安い。
長ネギが今週は高く、2本で214円だ。
出かける前にチラシの確認をしてこなかったので、次の店で安いのかどうかわからない。地元野菜コーナーでも長ネギは売られているが、こちらは白い部分が短いのだ。しかし、通常は2本だが、細いものだと3本セットになっているものもある。3本であれば白い部分が短くても合計の長さで考えた場合、許容範囲になる。細さは我慢して3本で150円の長ネギを買う。
南瓜は1/4カットで98円。これはいつもよりも安いのでかごに入れる。ピーマンも安く、4個で97円。玉葱は新玉ねぎが良かったが、今回は3個で213円のものを買う。
レジで精算するといつもよりも安い。それなりに買ったつもりだったので気分が少しよくなった。

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