動物を擬人化した漫画というのは多数ある。
擬人化して、そして草食動物と肉食動物とが共存している世界を描いた漫画というと真鍋譲治の『ワイルド★キングダム』という漫画があった。訳あって肉食を止め、草食主義に転向したライオンが主人公の物語だ。
未見だが、映画『ズートピア』も擬人化した動物、しかも草食動物と肉食動物が共存している世界の物語だが、ここにきてもう一つ新しい物語が加わった。
舞台は草食動物と肉食動物が共存した世界のハイスクール。なので登場人物の大半は学生であり、未成年だ。
物語はいきなり不穏な場面から始まる。
夜の校舎の中をアルパカの生徒が何者かに追われて逃げる場面だ。そして彼は何者かに殺される。
草食動物と肉食動物が共存している世界のはずだが、草食動物のアルパカは肉食動物と思われる誰かに殺されるのである。
では、この世界は何かしらの問題を抱えている世界なのだろうか。
この世界では草食動物と肉食動物とが共存するための幾つかのルールが決められている。まず、食事に肉は提供されない。肉の代りに提供されるのは植物性蛋白質を使った代用肉である。肉食動物は肉を食べることなく代用肉で生活している。生命の維持としては問題ない。しかし肉食動物としての本能のレベルではどうなのだろうか。
主人公はハイイロオオカミのレゴシ。アルパカが殺されたことで、彼と仲の良かった主人公レゴシに疑いの目が向けられる。そしてレゴシ自身も思春期の中、自分の中に眠っている肉食動物そしての本能に苦悩する。
1巻を終えた時点ではまだ犯人は見つかっていない。必ずしも犯人探しがメインの物語ではないのだが、アルパカ殺しから始まるこの物語は何処へと向かっていくのだろうか。
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