1巻が出たときに気になっていた本だが、いくら漫画、さらに電子書籍とはいえども、これ以上新しい作家の作品をむやみに読むのも少し控えたいという気持ちもあって、しばらくは様子見でもいいかとそのままにしておいた。
そうこうしているうちに2巻は出るし、年末恒例の「このマンガがすごい!」のオトコ編の二位にも選ばれた。「このマンガがすごい!」に選ばれたからといって必ずしも読むわけではないのだが、以前から気になっていた漫画なので、この機会に読んでもいいかなということでとりあえず1巻だけ読むことにした。
毎夜、公園でサッカーの練習をしている一人の少年に対して、ふとしたきっかけで学生時代にフットサルをしていた主人公は彼にサッカーを教えることとなる。
主人公は30歳OL。恋人なし。
主人公の、少年に対する感情は母性なのかそれとも、恋愛なのか。
主人公が女性でそしていわゆる、おねショタ、お姉さんのショタコンの話なので、女性漫画だと思っていたのだが、月刊アクションに連載されているのでどちらかといえば男性漫画で、だからオトコ編に選ばれたのだろう。
その点でいえば、男である僕は主人公の少年に対する感情というものを理解することはできない。この物語で描かれているのは僕の知らない世界である。
1巻ではまだなにも起こらない。30歳の女性と12歳の少年という年齢差のある二人の関係がどのように進んでいくのかどのような方向へと向かっていくのか、動き出したとしたらドラマティックな動きを見せるのかもしれないのだが、どこへ向かっていくのはその片鱗さえ見せつけない。淡々と、穏やかに主人公たちの日常の時間は流れていき、もちろん些細なレベルでの刺激的な展開はあるのだが、それは大きな物語にはまだ影響を与えていない。
それなのに、面白い。
なにもこのまま起こらないまま、淡々と進む二人の日常を見ていきたいのだが、そういうわけにもいかないのだろう。
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