プログラムの開発に携わっていると、まれに消える人がいる。
ある日突然、出社してこなくなり音信不通となるのだ。
ここでいう消える人というのは新入社員が突然、出社してこなくなるということではない。ある程度社会経験を積んだ人が消える場合のことである。
他の業界で働いた経験が乏しいので、こういうことは自分のいる業界特有のものではなく、どの仕事においても一定の確率で消える人がいるのかもしれない。
が、プログラム開発に携わっていると消える人という話を聞く機会が多い。
ここではその是非に関しては語らない。
僕は消えた経験がないので、消えるという衝動と行動を100%理解することはできない。
ただ、消えたくなるという気持ちは理解できる。
多分、ある日突然、心が折れるのだろう。
消えるという行為が、自分の人生の一部を台無しにするという点においては、消えるということは自殺するということに近いと思う。
僕が消えたことがないのは、僕が自殺したいという気持ちにいたることが無かったのと同じなのかもしれない。
いつ、どんなきっかけで心が折れるのかということはわからない。
もちろん、そこに至るまでの過程というものはあるので、突然ということは決して無いはずなのだが、例えば木の枝を折るにしても枝によっては軽く力を入れただけで折れてしまったり、どんなに力を入れてもなかなか折れなかったりと千差万別だ。だから心が折れるというのもどこで折れるのかなんて、他人にももちろん自分にもわからない。折れてみて初めて、ここが自分の限界だったと知る。
幸か不幸か、僕の場合は体が弱いので心より先に体に変調が来る。
心より先に体が悲鳴を上げる。
なかなか折れないのは、折れないのではなく根本から倒れてしまっているだけなのかもしれない。
コメント