菜時記 卯月/丁丑

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
今の状況から劇的に改善されるということなど望むべくもない。妄想は根強く残ったままであり、おそらくは消えることなどなく、歳をとればその妄想は強化されていくことだろう。
妄想を信じることは妻にとっては、自分と世界とをつなぎとめる唯一の手段でもあるのかもしれない。
だから僕は妻の妄想を受け入れるということをするしかないのだろう。
菜時記 卯月/丁丑
玉ねぎがお買い得となっている。
今週は玉ねぎを買う必要があるので、お得袋を買ってもよいのだが、そこまで量が必要というわけではないので、とりあえずすぐには選択せずにほかのものを買って、しばらく考えることにする。
長ネギが相変わらず2本で214円と高い。ここは次の店で買うことにして、次はキャベツである。キャベツはもうすっかり春キャベツとなっているが、小さいのが難点。しかし1/2カットで74円ならば悪くはなないので、芯の小さいものを選んでかごに入れる。
大根は1/2カットで105円。これはそれほど悩まずに上半分のほうを選んでかごに入れる。
地元野菜コーナーではトマトが安かったのだが、今一つピンとくるものがなかったので、これも次の店で買うことにする。そうこうしているうちにそろそろ玉ねぎの決断をしなければいけなくなってくる、結局安さより量を選んで、3個入り214円の新玉ねぎを買う。
レジで精算すると、思っていたよりも金額は高い。
次の店では店頭で長ネギが税抜き金額だが2本で98円で売られていた。読みがあたったというか感が当たった。トマトも4個で198円のものがあったし、キャベツはこちらのほうが少し高い。気分よく買い物をしていった結果、気前よ散財してしまい、想定していた以上の買い物をしてしまった。個々でみれば安くすませることができているのに、トータルとしては高くなってしまって、失敗してしまった。

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