たましい

高山和雅の新作が出た。

惑いの時代を生かされている
わたしたち日本人の
根底にふれる
〝たましい〟の物語

ということで、前作『天国の魚』のようなSFではないうえに、長編ではなく短編だ。
高山和雅が日本人のたましいをどのように描くのかというのは気になるのだが、SF好きとしてはセンス・オブ・ワンダーのようのものを期待してしまう。
どの話も現代が舞台で、少し不思議な出来事が起こる。SFというよりも伝奇物、あるいはオカルトじみた方向へと進む。
しかし、結果として不思議な事は何一つ起こらず、伝奇めいた事柄あるいはオカルトじみた事柄は理論整然と何一つ不思議なことなく解体される。
しかし、そこで起こった現象はきれいに解体されても関わった人たちの気持ち、ここでいう、たましいの部分に関してはそういうわけにはいかない。理屈はあくまで理屈であって理屈だけでは感情や気持ちというものは動かない時がある。もちろんだからといって理屈は駄目なのかといえばそうではない。理屈と理屈を超えた気持ちの部分との兼ね合いというのは他人が決めることではなく、自分自身で折り合いをつけていかなければいけない部分なのだ。
読み終えてみて、そうか、これが、たましいの物語なのか。
と感じる。

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