いつの間にか2巻が出ていた。
聴覚障害を扱った漫画である。
聴覚障害者に対しての取材はもちろん、聴覚障害を扱う医学にも取材をし、さらには著者自身も手話を学ぼうとしている。
フィクションではなくノンフィクションという体裁をとっているせいもあるのだが、一口に聴覚障害といっても様々な形のアプローチの仕方があって、作者は地道に一つずつこなしていっている。
その一方でゴーストライター問題で有名になった、いやその前から聴覚障害を持ちながらも作曲家として活躍していたということで有名だったのだが、その作曲にはじつはゴーストライターがいたということで正反対の方向で有名になった、佐村河内氏が登場する。
作者は佐村河内氏にも取材を行っているのだ。
2巻では佐村河内氏に対する不信感のようなものも描かれ、逆に言えばこの漫画がこの先、どういう方向へと向かっていくのかが難しい局面にも立たされているような感じでもある。
しかし、それはともかくとして聴覚障害というものが単に音が聞き取れない、もしくは音を聞くことができないというような話ではないということはよくわかってくる。
僕の妻も統合失調症になってから耳鳴りを訴えるようになった。音の強弱がおかしく聞こえるようである。
それがどのくらい辛いのか理解してあげることができないのが僕にとっては辛いことの一つで、妻がその辛さを訴えてきても、どのように受け応えてあげればいいのかわからないのだ。
この本にその答えがあればいいと思って読み続けている。
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