菜時記 文月/己酉

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
いつか妻と一緒に買物に出かけることができる日が来ることを夢見ているが、同時にそれは僕にとって贅沢な願いであることも理解している。
菜時記 文月/己酉
まだ痔のほうは完治したわけではないけれども、買い物に関していえばそれほど支障なく買い物することができるような状態までなってきた。まだ床付近にある品物を取るために屈むときには少し神経を使うが。
この時期になると妻は西瓜を食べたがるので1/6カットの西瓜を買う。429円である。
おそらく明日の日曜日であれば321円で売られているだろうけれども、どうせ明日も食べたいというに決まっているので今日買っても変わりはない。
トウモロコシが1本105円。甘太郎という品種だが、値段を考えるとそれほど甘くはない気もするが、ひげの部分をみると結構濃い茶色でしばらく前に見たトウモロコシの見分け方で髭の色が濃いものの方が食べごろであるという情報を元に買うことにする。
この時期でもまだ新玉葱は売られていたので3個213円のものを買う。
キャベツは1/2カットで73円。春キャベツなみの密度のものだったのでかごに入れる。
続いて次の店へと向かう。
次の店ではトマト4個で213円、いつものやつを買う。
先の店で198円だったアスパラガスが138円だったのでこれも買うことにする。魚介類のコーナーでは僕の好きな生食用の焼きたこがあったのでかごに入れる。292円だ。
わさび醤油でもいいが、レモン汁で食べてもよさそうだ。
さてレジで精算しようとしたところ、どのレジも店員さんが一人しかいない。
この店は値段を読み取る人と、精算する人とで二人体制でレジ業務を行っているのだが、今日に限ってどのレジも一人である。
こういうこともあるもんだなと列に並んで待っていたら、前の人がクレジットカードで支払いをした。
この店はクレジットカードが使えない店だったのだが、使えるようになったのか、と感心していたら、レジの先に見慣れぬ機械があった。よく見ると精算機である。
そうか、しばらくこの店に来ていなかったの気が付かなかったのだが、精算は客のほうが自分で行う形になったのか。

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