この巻の終盤の展開には意表をつかれてしまった。
ワンダーランドという題名、そしてアリスという名の少女、さらにはそのアリスが人体を縮小させるという能力を持っているということから、この物語りが不思議の国のアリスがモチーフとしての根底にあることはまるわかりで、そうなれば次はああなるだろうということは予想がついて当然だったはずなのに、気が付かなかったのだ。
アリスの人体を縮小させる能力において、登場人物の一人が、質量そのものが減っているということに言及していたときに、おお、そうくるかと嬉しくなったのだが、その後で小さくなった主人公たちの大きさがもとの大きさに戻り、では、戻るためにひつような質量はどこから調達したのだろうかという点に関してはなにも言及されず、残念に思っていた。
しかし、今回は、アリスの能力についてもう少し深く言及される。
アリスの能力は人体の縮小が本質ではなく、質量のコントロールの部分にその本質があるというのである。縮小する過程で失われた質量がどこにいってしまうのか、また元に戻す過程で、どこから質量を調達するのかは解き明かされてはいないのだが、アリスはある程度の制限はあるのかもしれないが対象となる物体の質量を自在に増減させることができるのである。
で、終盤の展開だ。
ワクワクしてくる。
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