菜時記 葉月/己巳

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
普通の夫婦であれば当たり前のようにできることでも僕達夫婦にはとてもむずかしくなってしまったことは数多い。しかし不思議とそのことで不幸だとは思うことは少ない。
ただ、当たり前のことでもできないということを理解してもらえない時があり、そういう時は少しだけ悲しくなる。
菜時記 葉月/己巳
店頭では先々週、先週と引き続きトウモロコシが1本105円、2本買う。
ピーマンが安く、7個ほど入って160円だったのでかごに入れるのだが、その先の地元野菜コーナーでは個数は少ないが一袋100円だったので、こちらに取り替える。
キャベツが1個105円だったが、2人家族では1個まるごとというのは弄び気味なので今回は1/2カットを買う。
ナスや胡瓜、長ネギは妻が近所の無人販売で買う予定なのでそのまま素通りするが、ナスは地元野菜コーナーでB級品が安く売られていたのでちょっと買おうかどうしようか揺れ動く。
先週買った「うな次郎」が思いのほか、うなぎっぽく、といっても見た目も味も食感も、あくまでうなぎっぽいだけでうなぎそっくりではないのだが、それでも、絶滅危惧種認定されたうなぎを食べることの罪悪感と財布に気兼ねすることなく食べることができるという点では「うな次郎」は優れている。レンジで温めるのではなく焼いて焦げ目をつけるとよりうなぎらしくなるという話を聞いたのでそれをやってみようと思ったのだが、今週は売っていなかった。
妻の第一優先の西瓜も忘れずに買い、次の店へと向かう。
次の店ではいつものトマトが売られておらず、4個278円のものを買う。
冬瓜も売られていたのだが、先週、失敗したので今週は見送る。
カントリーマアムのバニラ&爽やかレモン味というのがあったので、爽やかレモンに惹かれて買ってしまう。
しかし、久しぶりに買ったけれども、昔と比べてカントリーマアムの一枚あたりの大きさが随分と小さくなっていた。

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