少し不思議なボーイミーツガールの物語。
読み始めて、この雰囲気はどこかで読んだことのある雰囲気だなと思ったのだが、なかなかそれがどこだったのか思い出せない。
絵柄もどこかで見たことのあるような感じもするのだが、それよりもとにかく、主人公の男の子が出会う女の子の不思議さにくらくらとさせられてしまうのだ。
登場人物の異なる四つの短編。
そのどれもに登場する女の子が不思議、というよりも、男にとって女の子はいつでも不思議な存在なのだろう。
ひょっとしてこれは恋愛物語ではなくSFなんじゃないのだろうかと思ってしまうくらいにとっぴで、それは恋愛の始まりにおける妄想でもあり、幻想でもあり、こういう風にそういうものを切り取って漫画に仕立てるということは今までなかったんじゃないか、とさえ思わせられる。
日常の風景をこんな風に切り取ることができるという点において、高野文子のようだなと感じた。どことなく初めて出会う漫画とは思えなかったのはそういうことだったのかもしれない。
コメント