あげくの果てのカノン 1

宇宙から飛来した巨大なクラゲ状の生命体と交戦状態にある未来。
主人公は喫茶店でアルバイトをしている女性。
彼女には高校生のころにあこがれていた先輩がいた。
その先輩は高校を卒業し、生命体から人類を守るために異星生物対策委員会の特殊部隊に入隊する。
あるとき、その先輩が彼女の働く店にやってきたことから物語が始まる。
主人公はいまだにその先輩のことが好きで、先輩のほうも彼女のことがまんざらでもない。
とここまでならば何も問題はなかったのだが、異星生物特殊部隊である彼は通常であれば死に至る負傷であっても異星生物の組織を使う「修繕」と呼ばれる技術によって何度も肉体的損傷を回復させられてきた人間で、その「修繕」には一つの問題点があり、肉体的損傷は回復させることができる代わりに、精神的な感情が変化してしまうという副作用があった。
つまり、修繕させられるたびに、好みが変化してしまうのである。
そしてもう一つの問題は、先輩はすでに結婚していて既婚者であるということだ。
かつて小松左京は、SFはあらゆるジャンルと結びつけることができると言ったことがある。それは恋愛小説であったり、ミステリであったり、純文学であったりと。
この漫画はSFであり、そして不倫SFでもある。
修繕されるたびに心変わりする先輩と、高校生のころからずっと先輩のことを思い続け、心変わりのすることのない主人公、そしてその一方で、主人公と同様に心変わりをしない、と思われる先輩の奥さん。
異星生物による人類滅亡の危機などお構いなしに繰り広げられる一方的な恋愛模様はいったいどこへ向かっていくのだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました