KING OF POP Side B

2017.09.26

江口寿史展として開かれていた「KING OF POP Side B」が一冊の本としてまとめられた。
僕は熱心な江口寿史ファンかというとそうでもなく、なので江口寿史展というものが開かれていてもわざわざ見に行くこともなかったのだが、こうして一冊の本としてまとまると別だ。
『すすめパイレーツ』は雑誌連載しているときには読んでいたけれども、コミックスは買っていないし、『ストップ!! ひばりくん!』もそうだ。
江口寿史が漫画をあまり書かなくなって以降、つまり『ストップ!! ひばりくん!』より後の作品から単行本を買うようになった。その時点ですでにイラストレーターとして活躍もし始めていて、漫画以外の分野で江口寿史の絵を見る機会が多くなった。
この本を見ると、僕の中でのそういった断片的な江口寿史の活動が一つの流れとして認識できるというか、どういう経緯で今に至っているのかというのが俯瞰できる。その点でいえば、ようやく江口寿史ファンだと言えるようになったのかもしれない。
漫画を描かないという印象が強いけれども、連載が中断してしまうことが多いというだけで、意外に連載にチャレンジし続けているのは予想外の驚きでもあった。特に、狩撫麻礼が椿屋の源名義で原作を担当した「平成大江戸巷談イレギュラー」が『江口寿史のお蔵出し夜用スーパー』に収録されていたものですべてだと思っていたら、未収録の部分があるようで、こちらもいつかどこかで「お蔵出し」と言うかたちで出ないものかと思う。
本の判型が判型だけに掲載されている画像が小さく、もっと大きな判型であればもっと大きく画像も掲載できた事を考えると、少し残念な気もするが、しかし、小さいながらもホワイトの修正の後とかこまかな書込の後といったものは見ることができるので、この大きさでも十分なのだろう。