世の中に未完の漫画というのはたくさんある。
雑誌連載していて、その雑誌が休刊となり、受け入れ先が見つからないままそのまま未完となってしまったり、人気がなくなって連載打ち切りになり、うまくまとめるだけの紙面がなく未完となったり、あるいは作者が急逝してそのまま未完となったりだ。
作者が急逝してもアシスタントが続きを描いて終わらせるという場合もあるが、大抵の場合はそのまま未完となってしまう。
小路啓之の場合も急逝してしまったことで連載中だった二つの作品が未完となってしまった。
一つは『10歳かあさん』そしてもう一つは『雑草家族』だ。
『10歳かあさん』は連載してまもない段階で、話もまだ始まってもいない状態なのであきらめもつくのだが、『雑草家族』は残り一話というところで未完となってしまった。
起承転結でいえば転のところで終わってしまっている。
この後どういう結末を迎えることになっているのか、編集者もアシスタントも誰も聞いていなかったのだろうか。こうして一冊にまとまったものを読み終えて、なにも書かれていないところを見る限りでは、作者の頭の中だけにしか存在していなかったのだろう。あるいは知ってはいるが、絵として見せることのできない以上語らないほうがよいと判断したか。
が、しかし、結末が気になることは気になるのだが、ここに描かれた世界はこれまでと同じく、家族に関しての物語で、たぶん、色々とありながらもそれなりのハッピーエンドを迎えるのだろうと思うと、未完でも、ま、いいんじゃないのかなとも思うのだ。
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