菜時記 神無月/丙戌

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
いつになったら私は解放されるの?
と妻は僕に尋ねる。
妄想に取り込まれている以上、開放されることなど永遠にやっては来ないし、妄想を否定する形となる答えは妻には届かない。
これは答えを僕は知っていながらも答えてあげることの出来ない妻からの問いだ。
菜時記 神無月/丙戌
日曜日には台風が近づいてくる予定だが、土曜日はまだ雨はそれほどひどくはない。
が、傘を持たずに車に乗り込んだので駐車場から店までのあいだ雨に濡れてしまう。
いつもならば足りなかったら日曜日に買い足しをすればいいという気持ちでいるのだが、今回はそういうわけにもいかない。
キャベツは1/2カットで58円。大根も1/2カットで同じ値段。白菜にいたっては1/2カットで105円と安い。が安さにかまけて大根は程度をあまり見ずに買ってしまったので家に帰ってから少し傷んでいる部分があって妻に怒られてしまう。まあそれでも傷んでいる部分を取り除けばいいだけの話だが。
レンコンが159円、人参が3本で105円といろいろと安い。
長ネギは2本で170円で、ここは思案のしどころなのだが、先週の失敗を考えて、今回はこの店で買ってしまうことにする。
レジで精算して次の店へと向かうころには雨は小降りになり、傘をささなくてもそれほど濡れない状態になる。
次の店ではトマトが4個で213円、胡瓜が4本で140円。意外に胡瓜がまだ安い。
巨峰が321円だったので買ってしまう。
合計するとそれなりの値段になってしまったが、悪くはない買い物ができた。

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