銃座のウルナ 4

前巻までの戦場とはうって変わって平穏な地での物語。
そもそも前巻までの表紙は上下が黒い帯状となっていたのに対してこの巻は青を背景とした表紙。
といっても単純な青ではないが青は空であり湖でもある。
蛮族ヅードの殲滅戦が終わり、主人公ウルナはその後別の戦場に配置をしたようだが、それは説明文として語られるだけで、その様子は描かれない。
新たな戦場でも戦果を上げたウルナは英雄として故郷に帰還する。
退役はしないものの銃を持つことを止めたウルナは故郷で郵便局の仕事を見つけ、すこしずつ平穏の日常を取り戻していく中、自分宛てに毎日手紙を出している青年と知り合い、恋人となっていく。
これはこれでまあいいか、と思う展開ではあるがこのまま進めば『銃座のウルナ』ではなくなってしまう。ではやはりこれは仮初めの幸せなのかそれとも大きな変化への助走なのか。
と思いながら読んでいくと、平穏なこの村で殺人事件が起こる。
やがてウルナはあることに気がつく。
蛮族ヅードとの戦いで、一人だけ生き残ったヅードがいた事をである。
疑心が真実に結びつく瞬間の絵が衝撃的だ。
惨劇が確定的となる悲しみの次巻が待ち遠しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました