統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
大きな幸せは望めないし、見つけることも半ばあきらめている。その変わりに小さな幸せはわりと見つけることが得意になった気もする。吹けば飛ぶような小さな幸せだが、妻が一瞬でも笑顔をみせてくれたのなら、それだけで幸せな気分になることが出来る。
菜時記 師走/壬戌
店頭では舞茸が84円で売られていたのでこれは安いと思い即座にかごに入れたところまではよかったが、先に進んでも舞茸が売られていてこちらは98円。同じ舞茸なのに値段が違うのはどうしたことだとカゴの中の舞茸を見ると、少し小さいうえにラベルに食べきりサイズと書かれている。いろいろなものが小さくなったり量が減ったりしていく中で、お前もかといいたくなった。安いのは量が少ないから、だけとは言い切れないがそれでもこの安さの中には量が少ないという理由も多分に含まれていて、がっかりする。
キャベツは1/2カットで108円で高い。
事前のチラシチェックで白菜が84円と安いのは知っていたが、チラシの写真は1個まるごとの写真で、もっとも、実際は1/4カットであることぐらいは理解していたが、実物を見るとそんなに大きくない白菜で、これまたがっかりしてしまう。もう少し大きければがっかり度も少なかったはずだ。
長ネギは203円だったのであきらめる。
レジで精算後に隣のホームセンタ―へと向かう。
バナナが安いことを知っていたのでこちらの方でバナナを買うためなのだが、残念なことに熟しすぎたバナナしか売られていない。代わりにトマトと長ネギとキャベツを買う。キャベツは1個で130円。長ネギは2本で150円。どれもお得だが、ホームセンターで野菜だけを買うというのもものすごく違和感がある。
続いて最後の店へ。
店頭でバナナが84円でうられていた。結果として良かった。
人参は一本あればよかったが、小さい人参が5本ほど入ったものが105円。ほうれん草が119円となかなかうまい買い物ができた。
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