統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
配偶者が統合失調症に罹っているという人は、親、もしくは子供が統合失調症である人よりも少ない。
統計的にみて、大人になってから発症するよりは未成年の時に発症する場合のほうが多いということもあるが、発症をきっかけに離婚してしまう場合もあるからだ。離婚率でいえば、普通の夫婦の離婚率よりも高い。
菜時記 睦月/癸卯
年末年始にかけて妻は食欲もなくし、食べたい物を聞いてもあまり答えてくれず、かといって店に行けば売られているものは正月用のおせち料理の類が大半で、なかなか頭を悩ましたのだが、それでも少しずつ食欲が出てきたようで、正月明けの最初の買い物のときには今まで通りの食材でもなんとかなりそうな感じになってきた。
ということで一週間分の買い出しに出かけるのだが、野菜はいろいろと高い。
キャベツや大根などはもちろんだが、高いだけではなく売られている種類も減って、まあこればかりは季節に応じたものしか収穫できないのだから仕方がないが、選択肢が減ると気力も下がってしまう。
キャベツは1/2カットで183円、大根は地元野菜コーナーにあるもので、小ぶりのものが1本162円。
惣菜コーナーでタラの芽の天ぷらがあったので買うことにする。
レジで精算して次の店へ。
あらかじめチラシを確認しておいたので長ネギ2本、170円のものを買う。それほど安いわけではないが、先の店よりも安い。
妻が焼き芋が食べたいといっていたので、この店で売っている焼き芋を買おうとしたのだが、まだ焼いている最中で、10分ほど待つ必要があったので、意味もなくあたりをウロウロとしながら時間を潰す。
しばらくして店の人がやってきて焼きあがったさつま芋を袋に詰め始めたので、一袋かごに入れてレジへと向かう。
今年最初の買い物はなんとか無事すますことができた。
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