チョーヒカルというとリアルなボディペイント、もっともリアルではないボディペイントがあるかといえばないだろうけれども、ボディペイントで有名になった人ということしか知らなかったので漫画も描いていたということに驚いた。
が、表紙の絵こそボディペイントの雰囲気に似てはいるけれども、実際の漫画はリアルからかけ離れた作風だったので、こういう絵も描く人なのだと二度驚いた。
で、読んでみると三度驚いた。
SF系の話なのである。
驚くと浮遊してしまう病気をもった女性。
意識だけ過去に戻ることのできる装置がある世界で過去に戻って人生をやり直そうとする男性。
生まれつき、首周りから肩のあたりまでの皮膚が硬化して鱗のようになってしまっている女性。
亡くなった彼女が持っていた、絵筆は描いた絵を数秒だけ実体化させることのできる筆だった。もう一度だけ彼女に会うために絵心ないままにも必死で彼女の絵を描こうとする男性。
そしてどの話も恋の話だ。
一番気に入ったのは過去に戻って過去を改変し人生をやり直す話で、付き合っていた彼女に裏切られて以来、人間不信になってしまった主人公は、過去に戻ってその彼女と付き合うことをやめようとする。
しかし、今はもう忘れてしまっているが、その当時は彼女に恋をしていたのだ。果たして彼は過去を改変することができるのだろうか、という部分に焦点はあたるのだが、まさかこういう解決、というかこういう結末の付け方があったとは。
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