アヴァルト

まったくノーマークの作品だった。
表紙の絵から見て、たんなるファンタジーものだと思っていたのだが、電子書籍で1巻と2巻が無料だったので、とりあえず1巻だけダウンロードしてみて読んでみた。
つまらなければその時点で読むのを止めればいいやと気軽に考えていたのだが、読んでいるうちに引きずり込まれていった。
まず、中世ヨーロッパの時代っぽいファンタジーだと思っていたらその世界が実はゲームの世界で、主人公はその世界にログインしてアバターを操っているということがわかる。
それだったら、よくある設定ということで、その時点で読むのを止めるのだが、主人公がおかれた状況、つまり主人公の現実の世界が宇宙船の中で、しかもその船の中には主人公しかいないのである。主人公が冷凍睡眠から目覚めると、他の仲間は船内にはおらず、そして残されている食料を調べると、数ヶ月分しかないことがわかる。しかし幸いなことに船は地球の衛星軌道付近にいる。
だったらゲームなんかしていないで現実の問題に直面しろと思うだろうけれども、現実の問題に直面しようとするとこのゲームの世界が関係してくる。というのもゲームの世界だと思っていたのは地球の今の状態で、つまり、主人公が生き延びようとするのであれば地上に戻る必要があるのだが、今の地球はゲームの世界なのだ。
つまり何故地球がゲームの世界となってしまったのかという謎を解かなければ今のままの状態で地表に降りても死ぬだけなのである。主人公が操るアバターはゲーム内のキャラクターの扱いなのでレベルが高く強いのだが、主人公自身は生身の人間なので最弱なのである。
物語が進むにつれて世界の謎も少しづつ明らかになっていくのだが、これがなかなか良く考えられている。最大の敵である神がなぜ見切ることすらできない高速で攻撃することが出来るのかなど、有り得そうにないことが、元となったゲームにおけるルールの中で論理的に展開されていくのである。
ファンタジーだと思っていたらしっかりとSFだった。

コメント

  1. 五十八 より:

    なにかとっても面白そうなストーリーと言う気がしますが、あたしにはなんだかサッパリわからないです。
    頭がわりいと楽しみもかぎられちゃいますね。
    書かなくてもいいコメントを書いてしまった
    スイマセン m(_ _)m

  2. Takeman より:

    五十八さん、どんなコメントでも大丈夫ですよ。
    むしろ、こちらのほうがあまり丁寧に内容を説明できていなくて申し訳ありません。

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