前巻の『呪禁官 百怪ト夜行ス』が出たときに、たまにはこのシリーズも書いて欲しいよねと感想を書いた。願いがかなったというか、それから2年が経過しながらも続きが出た。
今回も前巻と同じく、父親の若い頃の話で、そういう点では前巻の直接の続編だ。
初期の2作品と違って主人公はいきなり最強状態で、しかもこの話では死ぬことはないことがわかっているのだが、そんなある意味結末の一部がわかっている状態でありながらもページをめくる手が止まることなくノンストップで最後まで読み進めさせられてしまう。
今回は完全にクトゥルフ神話の世界で、呪禁官はクトゥルフに関しては門外漢という設定だ。
そういうわけで、最強状態の主人公であっても未知の敵と戦わなければいけないということで苦戦をすることになるうえに、生贄をささげて最終的な敵には帰っていただくという目的なので、ただ単に敵を倒せばいいというものではない。逆に言えば戦って勝ち目がない敵であるということだ。よくできたパズルを解いていくような感じでもあるのだが、巧妙な設定のために先がどうなるのか予想もつかない、というか常に予想の斜め上をいく。
また2年後でもかまわないのでこのシリーズ、続けて欲しいと思う。
コメント